「週末、Baume-les-Damesに行かない?」
そんな誘いの言葉を聞いた瞬間、気持ちはすでにドゥー渓谷の石灰岩の前に立っていました。声をかけてくれたのは、この一年ほどヴォージュ山脈近郊によく一緒に出かけるクライミング仲間の Thomas 君でした。こうして私にとって、2021年以来、実に5年ぶり、4回目の Baume-les-Dames 遠征が決まりました。
Baume-les-Damesとは?
Baume-les-Dames は、フランス東部・ドゥー渓谷に佇む小さな町です。豊かな緑と手つかずの自然に包まれたこの場所は、ドゥー県を代表するクライミングスポットの一つ。ストラスブールから車で約 2時間30分とアクセスしやすく、地元ヴォージュ山脈以外では、私が最も足を運んできたエリアです。
市街からアクセスしやすいエリアは6つ。その中でも特に人気を集めているのが Sous Buen と Quint の2エリアです。
Sous Buen は、229ルート中190ルートが6c以下(※2024年に追加された新ルートを含めると、その割合はさらに高くなります)という、初心者から中級者まで幅広く楽しめるエリアです。東向きの壁のため午後は日陰になるセクターも多く、夏場でも比較的快適に過ごせます。駐車場からクライミングエリアまでの道のりも近くフラットなため、小さなお子さん連れのファミリークライマーも多く訪れています。
一方の Quint は、179ルート中グレード7台が70本、8台が46本という本格派エリアです。石灰岩らしい立体的でダイナミックなムーブが随所に現れ、中・上級者のテンションが上がること間違いなしです。
初日:昼過ぎからSous Buenへ ─ 祝日の洗礼
この日はFête du Travail(メーデー)の祝日。「混むだろうな」とは思っていましたが、想像を超える賑わいでした。到着時にはまだ駐車スペースが残っていたものの、準備をしている間にあれよあれよと埋まっていく……。そんな中、駐車場では早くも Fernando さんチームに遭遇.結果的に3日間一緒に時間を共にする(アペロも自然と合流する流れに 😄)ことになりました。
さらに岩場でも、ジムで顔を合わせる別のクライマーと出会うなど、クライマーコミュニティの狭さを改めて実感する場面も。「やっぱり来てたか」という,ある意味予想通りの展開でした。
それにしても、この日の混み具合は圧巻でした。ファミリーやスクールのグループが多く、どのセクターも常に人の気配があります。これほど賑わうSous Buenは初めての経験でした。ドイツ語が飛び交うのは想定内でしたが、英語でコミュニケーションしているグループも多く、その国際色の豊かさと活気には、正直少し驚かされました。
2日目:引き続きSous Buenへ ─ 少し落ち着いた土曜日
土曜日ということもあってか、前日(祝日)に比べると幾分クライマーの数は落ち着いていましたが、それでも各エリアは十分な賑わいでした。ただ、16時を過ぎると家族連れを中心に人が引いていき、夕方はゆったりと岩に向き合える時間になりました。
連休に訪れる方へのヒント
Sous Buenは東向きのエリアで、午後になると日陰が増え、夏場でも比較的快適に過ごせます。連休中の混雑は避けられませんが、この時期のフランスは20時半過ぎまで明るいので、駐車場さえ確保できれば、あえて遅めにスタートするのも一つの選択肢です。夕暮れの穏やかな光の中で、純粋に理想の動きを追求するのも、5月ならではの贅沢かもしれません。実際、私たちは19時過ぎまでゆったりと過ごしていました。
最終日:Quintへ ─ 曇り空と静かな岩場
最終日はQuintへ移動。空には雲が広がり、時折パラパラと雨粒が落ちてくる冴えない天気でしたが、石灰岩のコンディション自体は問題なし。半日、存分に理想のムーブを追求しました。
意外だったのは、この日Quintにいたクライマーがほとんどいなかったこと。あれだけ賑わっていたSous Buenとは対照的に、ほぼ貸し切り状態です。天気を見て敬遠したクライマーが多かったのかもしれませんが、静かな岩場で自分たちのペースで動ける時間は、それはそれで贅沢でした。
クライミングの成果
ウォームアップ課題以外に、これといった大きな成果はなし……が正直なところです。
Sous Buen
- Le pilier des pirates (6a+) mOS
このエリアの名前にもなっている看板ルート - Cure-dent (6a+) mOS
左側にトラバースしてから直登する一手(いって)が難しい。
Quint
- Le chemin du serpent (6c) RP
登るにつれて難しくなり、右側に出てからの直登も侮れないルート。
📝 登れなかったけれど印象に残ったルートなど 、詳しい成果についてはこちら 👉🏻 Baume-les-Dames クライミングまとめ
成果の数字だけ見れば地味かもしれません。それでも不思議と、満足感がありました。再訪の岩場、気の合う仲間、迅速な展開、そして少しだけ予想を裏切るストーリー。そうした要素が重なれば、グレード以上に記憶に残る時間になる。そのことを改めて実感した3日間でした。
岩場の後のお楽しみ:アペロ&ディナー
クライミングが終われば、もう一つのメインイベントの始まりです!
初日の夜は Fernando さんチームも合流し、今回の遠征を企画してくれた Thomas 君の誕生日を祝ってシャンパンで乾杯🥂 アペロのスタートが20時過ぎ、オーブンのトラブルを乗り越えてメインディナーが登場したのは23時!これぞフランスらしい夜でした。2日目はスパゲティサラダにBBQという豪華なラインナップで、リヨンから駆けつけた Gaëtan 君も加わり、食卓もおおいに盛り上がりました。
岩場での時間だけでなく、こうした食卓を囲む時間も含めてこそ、遠征の醍醐味だと改めて感じます。誘ってくれた Thomas 君、そして岩場で時間を共にしてくれたすべての仲間に、ただただ感謝です。また行きましょう!
今回の活動まとめ
メンバー: Thomas・Thomas・Anthony・Gaëtan
- Le pilier des pirates (6a+) mOS
- Cure-dent (6a+) mOS
- Le chemin du serpent (6c) RP
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