Baume-les-Dames でのクライミングを終え、いよいよ今回の遠征のメイン目的地であるブリアンソンへ向けて南下を開始しました。とはいえ、ただ目的地へ向かうだけでは面白くありません。せっかくなら途中の岩場も楽しみたい。そんなわけで、Annecy 近郊にある石灰岩エリア、La Balme-de-Sillingy へ立ち寄ることにしました。
14時過ぎ、茹だるような暑さの Baume-les-Dames を出発 🚗💨 車の窓から見える景色は少しずつ変わり、ジュラ山脈の穏やかな丘陵地帯からアルプスの山並みへと移り変わっていきます。予定通り17時30分過ぎに La Balme-de-Sillingy に到着。この日は翌日のクライミングに備え、岩場の下見だけをして終了しました。
La Balme-de-Sillingy とは?
La Balme-de-Sillingy は、アヌシー(Annecy)から車で約15分、ジュラ山脈の南端とアルプス前山(プレアルプス/Préalpes)が交わるマンダラ山塊(massif de Mandallaz)に位置する石灰岩のクライミングエリアです。標高550m、南西向きの日当たりの良い壁に、94ルートが整備されています。
グレードは3bから8b+まで非常に幅広く、初心者から上級者まで楽しめる構成です。ルートの長さは10〜30mで、70mロープがあれば対応できます。
岩質は石灰岩で、スラブ、垂壁からルーフまでバラエティーに富んだルートが揃っています。テクニカルなルートとパワー系のルートが混在しており、「考えながら登る」クライミングが好きな方にも、フィジカルで押していきたい方にも応えてくれるエリアです。ただし古いセクターの易しいルートの一部はかなり磨かれており、グレード感がやや辛めに感じることもあります。下見の段階では分かりませんでしたが、これは翌日身をもって実感することになります。
ベストシーズンは2月〜12月とほぼ年間を通じて登れますが、大雨の後は岩が不安定になる箇所があるらしく、登る前に状態を確認することをおすすめします。また週末はモトクロスの音が響くこともあり、少々賑やかな環境のようです。
セクター
- セクター1:駐車場から徒歩約3分。緑色のゲートすぐ後の左側の急な小道を登ります。
- セクター2:駐車場から徒歩約10分。緑色のゲートを過ぎて「rocher d'escalade」と書かれた広い土の道を進みます。今回登ったのはこちらのセクターです
アクセス
Annecy から Meythet、Frangy、Bourg en Bresse 方面(D1508道路)へ進み、「La Balme de Sillingy」の集落入り口看板から約300m進んだところで右側の細い道へ。約100m進んで再度右折すると墓地の駐車場に到着します(GPS:北緯45.960102° / 東経6.043749°)。駐車場からエリアまで最短3分というアクセスの良さも魅力のひとつです。
この夜はなぜか American Diner
夕食はなぜか、アメリカンダイナー(American Diner, 69 Route d'Epagny, 74330 Sillingy)へ。今回の遠征では「一度はローカルなレストランで食事をする」というお達しがあったので、「これがそのローカルなレストラン?」と聞いてみると、「違いますよ!」と即座に否定されました。「アメリカンならハンバーガーかな?」とオーダー。勝手にステーキ肉をそのまま挟んだハンバーガーを期待していましたが、挽肉タイプのパティでした。少し期待しすぎたかもしれません。それでも冷えたビールと一緒に食べるハンバーガーは悪くありません(23.8€)。遠征中のこういう何気ない食事も、後から振り返ると意外と印象に残るものです。
翌朝:曇り空の中、La Balme-de-Sillingy へ
昨夜はパラパラと雨が降り、朝はどんよりとした曇り空が広がりました。それでも天気予報は晴れ。特に心配することもなくテントを片付け、軽く朝食を済ませてからクライミングスタートです。
岩場に向かう途中、Eglise Saint-Martin 教会側の景色が目に入りました。フランス北東部のヴォージュ山脈周辺とは異なり、酪農地帯が広がるのどかな風景です。石灰岩の白い壁と緑の牧草地のコントラストが美しく、ヴォージュ山脈周辺とはどこか雰囲気が異なり、アルプスへ近づいていることを実感させてくれる風景でした。
- Androméde (5b) m.OS
久しぶりにツルツルに磨かれた石灰岩の洗礼を浴びました。離陸が予想以上に手強く、「5bってこんなに難しかったっけ?」と思わずにはいられない一本。ポリッシュされたホールドに足を信じて乗り込む感覚を、改めて思い出させてくれました。エリア紹介で触れた「グレード感がやや辛め」というのは、まさにこういうことだったのかと納得です。
- Les feuilles mortes (6b) m.lead-TO
この日、一番印象に残ったルートです。岩の弱点を丁寧につないだ美しいラインで、壁を見上げた瞬間から登りたくなりました。しかし結果は完登ならず。
1便目:中間部のトラバースで完全に詰まりました。その後クラック沿いに登って左側へのトラバースもムーブが作れずテンション。全体像はなんとなく見えたものの、解決策が見つからないまま終了。
2便目:中間部のトラバースの壁は厚く、「どうにかなるだろう」という甘い考えは通用しませんでした。
3便目:ようやく「もう少しムーブを固めないといけない」という現実が見えてきました。
なかなか良いルートなだけに、登り切れなかったのが悔しいところです。次回 La Balme-de-Sillingy に来る機会があれば、真っ先にリベンジしたい一本です。
蜂の襲撃と早めの撤収
この日はクライミング中に仲間が蜂に刺されるというアクシデントもあり 🐝、幸い大事には至りませんでしたが、安全を優先してお昼頃には撤収することに。完登できたルートは少なく、ラインの美しさやグレード感の独特な辛さなど、このエリアの個性はしっかり味わえた一日でした。一方で宿題ルートを残してしまったため、どこかすっきりしない気持ちも残ります。「また来なければ」そんな理由が一つ増えました。
いよいよブリアンソンへ!ガリビエ峠を越えて
昼食を済ませ、いよいよ今回の遠征のメイン目的地、ブリアンソン(Briançon)へ向けて出発。ルートはツール・ド・フランスでおなじみのガリビエ峠(Col du Galibier)越え。標高2642mのこの峠は、プロのサイクリストたちが毎年死闘を繰り広げる伝説の峠です。テレビでしか見たことのなかった伝説の峠を、自分たちの車で越えていく。峠が近づくにつれて景色はさらに雄大になり、アルプスの世界へ入り込んでいく感覚がありました。遠征はまだ始まったばかり。しかし、この時点ですでに旅そのものを十分に楽しんでいました。次はいよいよ、今回のメイン目的地であるブリアンソンです。
活動内容(La Balme-de-Sillingy)
- Androméde (5b) m.OS
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