昨夜のバーベキューパーティーは深夜まで続きましたが、不思議なことに皆さん朝はいつもどおり。8時半頃になると、一人、また一人と起き始め、それぞれ好きなタイミングで朝食を済ませます。豪華ではありませんが、キャンプ場で食べる朝食は、それだけで十分おいしく感じるものです。10時半過ぎ、今日もゆっくりと岩場へ向かいました。
今日は「Top Secret」の世界
この日は珍しく、一般的なトポではなく「Fontainebleau Top Secret Volume 2」に掲載されているマイナーエリアへ向かうことになりました。目的地は Cuvier Rempart-2。有名エリアではありません。だからこそ、「どんな岩があるんだろう」という探検気分がありました。
森の中を歩いていくと、大きな岩があちこちに転がっています。ところが実際に登られている岩はごく一部。ほとんどの岩は苔に覆われ、人が登った形跡すらありません。「本当にここで合ってる?」そんな会話をしながら目的の岩を探す時間も、フォンテーヌブローらしい楽しみでした。結局、お目当ての岩だったのかは最後まで分かりませんでしたが 😅 皆で面白そうな課題を見つけてセッション開始です。
Cuvier Rempart-2
Johan(6a) は、この日一番印象に残った課題です。離陸後は少し上に登り、右側にトラバースしてから再び直上する、変化に富んだラインでした。まず離陸から右へトラバースする一手、縦カチのサイドプルが少し遠く感じてフォール。その後、3便目でようやくコツをつかみました。その先はアウトサイドフラッギングで体を横に倒し、左手を頭上のカチへ。クライミング友のムーブは、そこから左足を戻し、右足を遠くのガバカチへ伸ばして右手をダイレクトにガバへ飛ばすムーブのようです。ただ私は右足をダイレクトに送ることができず、誰も使っていなかった右側の縦カチ(サイドプル)を経由するルートを発見。右足と左足を入れ替えてから右足を遠くのガバへ飛ばし、右手でガバをつかんでトラバースパートを乗り切りました。その後は直上パートですが、意外に手のホールドが悪く、左足をハイステップして体をズルズルと引き上げ、右足を先ほど手で使ったガバへねじ込みます。最後までバランシーな展開が続き、前のめりになりながら体を上げていく、なかなか歯応えのある一本でした。
隣にあったスラブも触ってみましたが、Le Mandarine(5b) はこちらは離陸すらできず終了。「5bってこんなに難しかった?」フォンテーヌブローでは毎回そんなことを思います。
- Johan (6a) 完登
離陸から右トラバース、その後直上する変化に富んだライン。3便目で完登。 - Le Mandarine (5b) 敗退
離陸すらできず終了。
その後は写真を撮ったり、ビデオを撮ったりしながらまったりと過ごしました。6aの課題のセッションがなんだかんだと盛り上がり、気が付けば16時近くまでこのエリアで過ごしていました。個人的にはあまり本数は登っていませんでしたが、前日の疲れもあり、ちょうどいい休憩になりました。
Dame Jouanne 4- Le Cube 周辺へ
キャンプサイトへ戻り遅めの昼食をとった後は、パリに住む Tom さんが合流。彼の案内で、Dame Jouanne 4- Le Cube 周辺でクライミングを再開しました。易しめの4aあたりの課題を登ったところで、さらに別の岩場へ。ところが……歩いても歩いても目的地が見つかりません 😆 森の中をしばらく歩き回り、「今日はこのまま終わるのかな?」と思い始めた頃、ようやく良さそうな岩を発見。「せっかく来たので、登ってみますか」そんなゆるい雰囲気で、この日最後のセッションが始まりました。
5a(ルート名不明) は、久しぶりに登る、傾斜の緩いスラブがなかなかの手強さでした。上部で2手ほど耐えて体を上げるところが核心部。最後の一手も、それほど大きくないホールドで難しく感じました。
- 5a(ルート名不明) 完登
上部で2手耐えて体を上げる核心部。最後の一手も難しく感じた。
今回のメンバーは高グレードを登る人が多かったものの、スラブはあまり得意ではない様子。フォンテーヌブローで7a前後を登るクライマーたちが、この5aに苦戦する姿を見て、みんな大笑い。「フォンテーヌブローはグレードじゃない。」そんなことを改めて実感する、楽しいセッションでした。
その後は場所を移動し、Tom さんおすすめの 6a(ルート名不明)を登ることに。こちらもムーブがあって面白い課題でしたが、インパクトでは先ほどのスラブ5aに軍配が上がります。
- 6a(ルート名不明) 完登
ムーブがあって面白い課題。
結局この日、一番記憶に残ったのは、グレードの高い課題ではなく、皆で笑いながら登ったスラブでした。
そして懐かしい場所へ
薄暗くなり始めた21時過ぎに駐車場へ戻ってくると、隣接するレストランに、なんだか見覚えが。よく見ると、Auberge De La Dame Jouanne でした。2015年11月、初めてフォンテーヌブローを訪れた時にも立ち寄ったレストランです。あの時は、パリ同時多発テロの翌日。不安な気持ちを抱えながら、それでも仲間と過ごした時間に救われた旅でした。
3年ぶりに再び同じ場所を訪れ、こうしてクライミング友と笑いながらボルダリングを楽しんでいる。偶然立ち寄っただけのレストランでしたが、当時の記憶が静かによみがえり、少し感慨深い気持ちになりました。
マイナーエリアを探してさまよい歩いた一日の最後に、思いがけずあの日の記憶に再会する。フォンテーヌブローは、いつもどこかでこうした偶然を用意してくれる場所なのかもしれません。
0 件のコメント:
コメントを投稿