ライン川。ドイツを代表する美しい川の一つであり、古城やブドウ畑が織りなす風景は、世界中の旅行者を魅了しています。その中でも、古城が点在するライン渓谷中流上部は、まさに「ドイツらしい風景」を感じられる場所。
今回の旅のきっかけとなったのは、このライン川クルーズでした。最初は「船から眺めるライン川の景色」に憧れて旅の計画を立てました。そして実際には、先にラインシュタイク(Rheinsteig)を歩いて、自分の足でこの景色を巡ることになりました。最後の締めくくりは、いよいよ憧れだったライン川クルーズ。ザンクト・ゴアルスハウゼン(Sankt Goarshausen)からビンゲン(Bingen)まで、約3時間の船旅です。
ラインシュタイクからライン川クルーズへ
楽しかったラインシュタイクのハイキングもついに終了。現在時刻は13時40分。次のリューデスハイム(Rüdesheim am Rhein)行きのクルーズ船は14時10分発でした。レストランでゆっくり昼食を取るには時間が足りなかったため、出発まで少し町を散策することにしました。
ザンクト・ゴアルスハウゼンの町は、リューデスハイムのような観光地とは違い、とても落ち着いた雰囲気。駅も非常にローカルな感じです。とはいえ、KD社のライン川クルーズ乗り場までは駅から徒歩約8分。アクセスは簡単でした。
クルーズ船の時刻や料金は、KD Rhine社の公式サイトで確認できます。事前に調べておけば、旅程も組みやすいですね。
いよいよライン川クルーズへ
予定より少し遅れて、観光船が到着。ザンクト・ゴアルスハウゼンからビンゲンまでは約3時間。料金は20.2€でした。暑いことは十分分かっていましたが……もちろん選んだのはテラス席。冷たいビールを片手に、ライン川の景色を楽しむことにしました。
船から見る古城巡り
最初に見えてきたのはネコ城(Burg Katz / Burg Neukatzenelnbogen)。午前中に歩いていたラインシュタイク側の斜面には太陽が当たり、写真も撮りやすいです。……しかし、川をはさんだ反対側は完全に逆光。
「これは写真撮影には厳しいな……。」
と思いながらも、肉眼で見る景色はやはり素晴らしいものでした。
次に現れたのは、世界的にも有名なローレライの岩山。川から見ると、その迫力は想像以上。
「ここ、クライミングできるのかな?」
そんなことを考えてしまうのは、やっぱりクライマーだからでしょうか。しかし……ローレライ像を見るのをすっかり忘れていました。
続いて見えてくるのはシェーンブルク城(Schönburg)。現在は四つ星ホテルBurghotel auf Schönburgとして利用されています。古城に泊まるという非日常体験。いつか挑戦してみたいですね。
歩いた道を、今度は船から眺める
カウプ(Kaub)が見えてきました。昨夜宿泊した町です。船から見るカウプは、また違った表情を見せていました。丘の上にはグーテンフェルス城(Burg Gutenfels)。歩いている時には疲労困憊で見る余裕がありませんでしたが、川から眺めると、とても美しい町です。
「ここまで歩いてきたんだな。」
そんな達成感が込み上げてきました。
その先にはシュターレック城(Burg Stahleck)。円錐形の塔が印象的な美しい城です。現在はユースホステル(Jugendherberge Bacharach)として利用されています。古城にリーズナブルに泊まれるというのは、ドイツ旅行ならではの魅力ですね。ただし人気が高く、予約はかなり難しいようです。
さらに進むと、フュルステンベルク城跡(Ruine Fürstenberg)。
ゾーネック城(Burg Sooneck)
盗賊の巣窟だったライヒェンシュタイン城(Burg Reichenstein)。
ラインシュタイン城(Burg Rheinstein)と、次々に古城が現れます。
昨日歩いた時には、「暑い……疲れた……。」という印象もありましたが、船から見ると、ライン渓谷がなぜ世界遺産になったのか、その理由がよく分かります。
最後のハイライト、ビンゲンへ
やがてビンゲン・アム・ライン(Bingen am Rhein)が見えてきました。白い塔のように見えるのは、有名なネズミの塔(Binger Mäuseturm)。ここで約3時間のライン川クルーズは終了。想像していたよりもゆったりとした時間でしたが、それこそが船旅の魅力なのかもしれません。
ライン川クルーズの感想
個人的な感想ですが……ライン川クルーズは午前中がおすすめです。もちろん季節や天候によりますが、この時期の午後は、ラインシュタイク側の古城を見る際に太陽が正面から当たりやすく、逆光になってしまいました。写真撮影を楽しみたい方は、時間帯も考慮すると良いと思います。
とはいえ、船からゆっくり眺めるライン渓谷の景色は格別。歩いた後だからこそ、「ここを昨日歩いたんだ。」という特別な感覚も味わうことができました。
ビンゲンからフランクフルト空港へ
クルーズ終了後は、ビンゲンシュタット駅(Bingen Stadt)から電車でフランクフルト空港へ戻ります。クルーズ乗り場から駅までは簡単で、川を左手に見ながら歩けば迷いません。
注意点として、ビンゲンには駅が2つあります。
- Bingen Stadt駅:普通列車のみ停車
- Bingen Hbf駅:IC・ICEも停車
フランクフルト方面へ戻るために、今回はBingen Stadt駅を利用しました。マインツ(Mainz Hbf)で乗り換え、Sバーン(S9)でフランクフルト空港駅(Flughafen Regionalbahnhof)へ向かいました。
最後のドイツビール
フランクフルト空港へ到着。ここからストラスブール行きのFlixbusを予約しました。少し時間があったので、空港で最後のドイツビールを楽しむことに。注文したのはFranziskaner Hefe-Weißbier。料金は……2.95€。やっぱり空港価格ですね。
実はフランクフルト空港を利用するのは初めてでした。渡仏してからは、いつもパリ・シャルル・ド・ゴール空港を利用していたので、新鮮な体験でした。ターミナル1にはルフトハンザ航空の自動チェックイン機が並び、ドイツ最大級の空港らしい雰囲気。ただ、個人的にはシャルル・ド・ゴール空港と比べると、少し天井が低く、開放感は控えめな印象でした。
Flixbusでストラスブールへ
フランクフルト空港のFlixbus乗り場は、ターミナル1から「Fernbusse(Long-distance coaches)」の案内に従って進みます。空港を背にすると右方向。
徒歩数分でP36駐車場に到着します。Flixbusのチケットに「Frankfurt Airport (P36, Terminal1)」と書かれている場合、このP36が乗り場です。
バスは少し遅れて到着。最終便だったため車内は空いていました。乗車時にはパスポートチェックがあり、
「来る時はなかったのに……。」
と少し驚きました。その後、バスは予定通り深夜にストラスブールへ到着。長かった旅が終わりました。
初めてのラインシュタイクとライン川クルーズを終えて
ハードなスケジュールでしたが、世界遺産ライン渓谷の絶景、古城を巡るハイキング、偶然出会ったドイツ人ハイカー、最後のライン川クルーズ。どれも印象に残る素晴らしい旅になりました。
ただ……次回ラインシュタイクを歩くなら、もう少し余裕を持った日程にしたいと思います。
歩いて、眺めて、そして船から振り返る。そんな贅沢な時間を楽しめるラインシュタイク。またいつか、別の区間も歩いてみたいと思います。
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