昨日よりもやや暖かな、快晴の朝になりました。それでも空気はひんやりしています。ヴェルドン渓谷でのクライミングもこの日がいよいよ最終日。楽しい時間ほどあっという間に過ぎるものです。
いつものように朝は8:00に起床。朝ごはんを軽く済ませてから、この日登るクライミングエリア Escalès - Carelle Aval へ向かいました。数日前は「本当に登れるのだろうか」と不安だったヴェルドンの壁も、最終日になる頃には少しだけ馴染んできた気がします。
最終日に選んだルート
この日登ることになったのは、Les Deux Doigts Dans Le Nez (max 6a+, L5)。全5ピッチがすべて同じグレード6a+で構成されているという、なんとも珍しいルートです。グレードが落ちる「休憩ピッチ」がない分、最後まで気を抜けない一本。Escalès の中では比較的登りやすいグレード帯ですが、ヴェルドンらしい高度感をしっかり味わえる人気ルートです。
取り付きまでの道のり
クライミングルートの取り付きには、Rivière d'argent の終了点から懸垂下降4回(45m, 40m, 30m, 50m)でたどり着けます。
⚠️ Rivière d'argent 付近のいくつかのルートは、春先から初夏にかけて鳥の繁殖のため登攀が禁止されているようです。訪問時期によっては事前に確認しておくと安心です。
ルート情報
登った印象
このルートの面白いところは、全ピッチが6a+で統一されていること。登り始める前は「どのピッチも同じような感じなのかな」と思っていましたが、実際にはそれぞれ違った個性がありました。
- L1 (6a+)
離陸から3ボルト目までが核心。最終日の体への気合いを入れ直すには十分な一本目でした。 - L2 (6a+)
右にトラバースしてから直登し、その後左にトラバース。ロープの流れに注意が必要なルートで、最後の左トラバースは高度感も加わって少し怖かったです。 - L3 (6a+)
離陸は垂壁でパワフル。ただホールドはしっかりあるので、力を信じて進めば問題ありません。 - L4 (6a+)
離陸後に右へ進み、3〜4ボルト目が核心部。リズムよく登れる一本でした。 - L5 (6a+)
オリジナルルートを選択。離陸後、右へのトラバースでこの遠征で初めてのテンションをかけてしまいました 😅 なかなかホールドが見つけられず苦戦。後で聞いたところ、ボルトのすぐ上に使えるホールドがあったようです。登っている最中はまったく気付きませんでした。さらにこのピッチだけ急にボルト間隔が広くなります。技術的な難しさ以上に、メンタル面でのプレッシャーを感じました。なお、L5をオリジナルルートではなく直登すると6c+になるようです。
今回登った Les Deux Doigts Dans Le Nez は、派手な核心があるルートではありません。その代わり、150mにわたってヴェルドンらしい石灰岩を楽しめるルートでした。足元には深い渓谷。見上げれば白い大壁。ピッチを重ねるたびに高度が上がり、景色も少しずつ変わっていきます。最終日に登るルートとしては、とても良い選択だったと思います。
今回の遠征では敗退もあり、予想外のトラブルもありました。それでも最後まで怪我なく登り切れたことが何より。ヴェルドンという特別な場所で過ごした数日間を、気持ちよく締めくくることができました ☺️
最終日の夜
最後の夜ということで、晩ご飯はアペリティフから始まり、パスタ、牛肉のステーキ、デザートまでのフルコース 😁 5日間、敗退もあり、ヒッチハイクもありました。思い通りにいかないこともありましたが、それも含めて良い思い出です。仲間たちと食卓を囲みながら、「もう明日は帰るのか」と少しだけ名残惜しい気持ちになりました。またいつか、この白い石灰岩の壁に戻って来たいと思います。
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